ネットショップのはじめ方とは?個人でも開業できる7つのステップと注意点を紹介
2025.09.27:ブログ

目次
ネットショップ運営は、一つひとつのステップを踏めば個人でも始めやすい事業です。ただし、成功させるためには押さえておくべき要点が多くあります。
この記事では、開業までの流れを7ステップで解説し、売上確保に必要な集客施策や失敗を防ぐためのポイントもあわせて紹介します。ネットショップのはじめ方が理解できる内容になっているので、ぜひ参考にしてください。
【7ステップ】ネットショップのはじめ方
ネットショップの開業を成功させるためには、7つのステップに沿って進めることが重要です。全体像を把握してから準備を進めましょう。

事業計画の作成から配送方法の決定まで、各ステップは密接に関連しています。一つひとつの手順を丁寧に実施し、次につなげていくことが大切です。
ステップ1:事業計画を作成して販売商品を決める
ネットショップ成功の第一歩は、事業計画の作成と販売商品の決定です。ショップのコンセプトを明確にし、ターゲット顧客のニーズに合った商品を選定できると、他店との差別化が可能になります。
販売する商品によって仕入れ方法や必要な資格が変わるため、最初の事業計画が極めて重要です。
販売ラインナップや価格帯を決めると同時に、売上や経費の具体的な収支シミュレーションも欠かせません。現実的な数値目標が、安定したショップ運営の土台となります。
ステップ2:代表的な7種類の仕入れ方法から選ぶ
商品が決まったら、次に仕入れ方法を選びます。仕入れはショップの利益率や運営スタイルを決定づける重要な要素です。
ここでは、代表的な7種類の仕入れ方法を紹介します。
ネットから仕入れ
ネット仕入れは、卸売業者が運営するオンラインプラットフォームを利用する方法です。場所を選ばず24時間いつでも取引でき、効率的に仕入れられます。
実店舗へ足を運ばなくても、多種多様な商品を比較検討できる点がメリットです。しかし、実物を確認できないため、品質やサイズ感が想像と異なるリスクがあります。
仕入れ先の信頼性を確認するため、レビューや取引実績を確認し、最初は少量から試すなど慎重に判断しましょう。
メーカーから直接仕入れ
販売したいブランドが明確な場合、メーカーに直接交渉して仕入れる方法がおすすめです。仲介業者を介さないため、中間マージンがなく利益率を高められます。
交渉する際は、メーカー公式サイトの問い合わせフォームなどから、ショップのコンセプトや販売したい理由などを伝えると効果的です。
ただし、メーカーによっては最低発注数が大きかったり、小規模事業者との取引を受け付けなかったりするケースもあります。取引条件を事前に確認したうえで、計画的に交渉を進めましょう。
海外輸入で仕入れ
日本で流通していない海外の雑貨やアパレルなどを取り扱うことは、他店と差別化を図れる方法の一つです。海外サイトで仕入れる方法と現地で買い付ける方法があります。
海外サイトなら渡航費がかからず、翻訳ツールを使えば言語の壁も低いため、初心者でも比較的始めやすいでしょう。ただし、国際輸送費や関税でコストがかかり、商品到着まで時間がかかる点には注意が必要です。
季節性が売上を左右する商品を扱う場合は、発注から納品までの期間を考慮した計画的な仕入れが欠かせません。
イベント参加や問屋街で仕入れ
商品の実物を直接確認して仕入れたい場合は、イベントや問屋街に足を運ぶ方法がおすすめです。
メーカーが集う見本市や展示会では、市場に出る前の新商品を発見できるチャンスがあります。作り手と直接話すことで商品のこだわりを深く理解でき、取引関係を築くきっかけにもなります。
また、特定ジャンルの問屋が集まる問屋街では、複数店舗を比較しながら効率的に商品を手に取って選べる点もメリットです。思わぬ商品との出会いや、普段得られない情報交換の場にもなります。
オークションやフリマアプリで購入
オークションサイトやフリマアプリは、中古品や限定品などを市場価格より安く仕入れられる方法です。主に、次のような商品を扱うショップに適しています。
- 希少価値の高いアンティーク品
- コレクターズアイテム
- 廃盤品
他では見つからない一点物に出会えるのはメリットです。しかし、個人からの仕入れになるため、商品の安定供給が難しく、継続的な販売計画を立てにくくなります。
また、商品の偽物や不良品が出品されるリスクもあるため、商品を見極める知識と鑑定力が欠かせません。
OEMで生産
OEM(Original Equipment Manufacturing)とは、自社ブランドの商品を他社メーカーに製造委託する方法です。つまり、商品企画は自社で行い、生産は専門工場に任せます。
製造設備を持つ必要がなく、専門知識がなくてもオリジナル商品を開発できる点がメリットです。既製品とは違って独自商品となるため、他店との価格競争を避けられます。
オリジナル商品販売はショップの世界観を表現し、ファンを掴む強力なブランディングとして有効です。ただし、一定の製造量が必要なため、初期費用は高くなる傾向があります。
ドロップシッピング(無在庫販売)を利用
ドロップシッピングとは、在庫を持たずに販売できる「無在庫販売」の仕組みです。具体的な流れは次のとおりです。
- 1.顧客から受注
- 2.メーカーや卸売業者に連絡
- 3.メーカーや卸売業者から直接顧客へ商品を発送
- 4.顧客が受領
在庫を抱えるリスクや売れ残りの心配がなく、開業資金を抑えたい人に適しています。さらに、保管場所の確保や、梱包・発送の手間もかからず、運営コストを大幅に削減可能です。
ステップ3:書類の手続きや許可の取得
ネットショップを開設する際には、税務関係の届出や販売許可の取得が必要になる場合があります。税制上のメリットを受けたり、法律上のトラブルを避けたりするため、事前に確認しておきましょう。
開業届・青色申告書の提出
個人で事業を始める場合は、管轄の税務署に開業届である「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出します。提出の義務はありませんが、屋号での銀行取引や青色申告の提出が可能になります。
最大65万円の特別控除など税制上の優遇を受けられる青色申告で確定申告を希望する場合は、開業届とあわせて「青色申告承認申請書」を提出しましょう。
なお、副業の場合は年間所得が20万円を超えなければ、確定申告は不要です。ただし、本格的に事業として運営するなら、提出をおすすめします。
販売に必要な許可証の取得
取り扱う商品によっては、法律に基づく許可や資格の取得が必須です。例えば次のようなケースがあります。
商品販売の種類 | 必要な資格・許可 |
中古品 | ・古物商許可 |
手作り食品 | ・食品衛生責任者資格 ・菓子製造業許可 ・密封包装食品製造業許可 など |
化粧品 | ・化粧品製造業許可 ・化粧品製造販売業許可 |
資格や許可の取得には数ヶ月かかる場合もあるため、必要かどうかを必ず事前に確認しておきましょう。許可や資格がないまま販売を始めると、法律違反となり罰則を受ける可能性があります。
ステップ4:3種類の出店方法から選ぶ
ネットショップの出店方法は、大きく3種類に分けられます。
- フリマアプリやマーケットプレイス
- ECプラットフォーム
- 自社サイト構築
ショップのコンセプトに最も合った選択をするため、それぞれの出店方法を見ていきましょう。
フリマアプリやマーケットプレイス
フリマアプリ(メルカリやラクマ)やマーケットプレイス(AmazonやYahoo!ショッピング)といった、すでに市場が確立しているサービスに出店する方法です。
プラットフォームの集客力が高いため、開店初期から多くの人の目に触れてもらえる可能性があります。
一方で、販売手数料がかかり、競合が多いため価格競争に陥りやすい点はデメリットだといえます。また、ルールが厳格なため、独自性やブランディングを発揮しにくい点も理解しておきましょう。
ECプラットフォーム
BASEやShopifyなどのECプラットフォーム(ASP)を利用すれば、ネットショップを簡単に構築・運営できます。
豊富なテンプレートからデザインを選び、必要な機能を追加するだけで、オリジナルショップを簡単に開設できます。販売手数料が抑えられ、運営コストを抑えられる点も魅力的です。
Atouchを使えば、お客様も使い慣れているLINEでショップを開設できます。商品の選択から決済までLINE上で完結するため、カゴ落ちのリスクを下げられます。さらに、LINEのチャットでお客様ごとに適した情報を送ることで、顧客満足度を高められるでしょう。
自社サイト構築
Web制作会社に依頼するなどして、独自のネットショップを構築する方法もあります。自社サイトの構築では、デザインや機能を自由にカスタマイズできるのが特徴です。
ブランドイメージを確立したい場合や、特殊な販売方法を取り入れたい場合に適しています。なお、顧客データを自社で管理できるため、さまざまなマーケティング施策に活用できるでしょう。
自社で構築・維持する場合、高いコストと専門知識が不可欠です。また、セキュリティ対策なども全て自己責任となるため、上級者向けの出店方法といえます。
ステップ5:ネットショップを構築するために必要な備品を揃える
ネットショップはオンライン上の店舗ですが、運営には備品の準備も欠かせません。ここでは、最低限揃えておきたい備品を紹介します。
パソコンとプリンター
スマートフォンだけでもショップ開設は可能ですが、効率的に運営するにはパソコンが欠かせません。在庫管理や売上分析、顧客対応などの業務は、パソコンの大きな画面を利用する方がスムーズです。
プリンターは配送用の送り状や納品書の印刷に必要です。ロゴ入りカードを印刷して手書きの一言を添えるといった対応にも役立ちます。業務効率化と顧客満足度向上のため、パソコンとプリンターをセットで用意すると効果的です。
カメラと画像編集ソフト
ネットショップでは顧客が商品を直接手に取れないため、商品画像が売れ行きを左右する重要な要素です。多くの顧客は写真のクオリティを見て購入を判断するため、商品の魅力を最大限に引き出す、高画質な写真を撮れるカメラの用意が欠かせません。
画像編集ソフトも購入しておくと、撮影した写真の明るさや色味を調整でき、写真のクオリティを高められます。販売商品の価値が伝わりやすくなり、売上向上にもつながるでしょう。
梱包資材
商品を安全に届けるための梱包資材は、ネットショップに必須の備品です。用意しておくべき梱包資材は、以下のとおりです。
- 商品を入れる段ボールや袋
- 配送中の衝撃から守る緩衝材
- テープ
配送中の破損はクレームや低評価に直結するため、商品のサイズや形状、壊れやすさに合わせた適切な資材を準備しましょう。
また、開封体験はショップに対する印象を左右する側面もあります。ブランドロゴ入りのテープを使うなど工夫すれば、特別感を演出でき、顧客満足度の向上につながります。
ステップ6:購入機会を逃さない決済手段を導入する
商品を購入しようとする顧客が安心して手続きできるように、決済手段の充実は欠かせません。希望する支払い方法がないという理由で購入を諦める「カゴ落ち」は、大きな販売機会の損失につながります。
幅広い決済手段を導入すれば、多様な顧客層のニーズに応えられ、売上にも直結します。代表的な決済方法は、以下のとおりです。
- クレジットカード決済
- 銀行振込
- 商品代引き
- ID決済(PayPay、楽天ペイなど)
- コンビニ支払い
- 後払い決済
決済方法が多いと導入に手間がかかりそうですが、決済代行サービスを利用すれば一括で導入・管理できます。
決済代行サービスごとに手数料や導入スピードが異なるため、ショップの規模やターゲット顧客に合わせて最適なサービスを選びましょう。
AtouchであればLINE上で決済まで完結できます。支払い方法はクレジットカードやPayPayなど充実しているので、多くのお客様がスムーズに購入まで進めるでしょう。
カゴ落ちについて、以下の記事で具体的に詳しく紹介しています。
関連記事:カゴ落ちとは?対策とECサイト売上向上の方法を解説
ステップ7:送料と配送会社を決める
ネットショップ開業における最後のステップは、送料と配送会社の決定です。送料は顧客の購入判断に大きく影響し、配送会社の選択は顧客満足度やショップの評価に直結します。
送料の決め方
送料は購入判断に影響するため、決め方が重要です。代表的な送料のパターンは、次の3つです。
- 全国一律
- 地域別
- 購入金額〇円以上で送料無料 など
全国一律にするか地域別にするかは、商品の利益率やサイズなどの特性を踏まえて決定しましょう。また、送料無料は強力な販促施策ですが、コストをどのように商品価格へ転嫁するか工夫が必要です。
配送会社の選び方
配送会社は料金の安さだけでなく、サービスの品質や信頼性を総合的に比較して選びましょう。丁寧な配送は顧客満足度に直結し、ショップの評価を左右する最後の重要な接点です。
各配送会社では、さまざまな配送サービスを提供しています。
- 追跡サービスの精度
- 時間帯指定の細かさ
- クール便対応の有無 など
送料の安さだけでなく、自社の商品を最適な状態で届けられるかという視点で選ぶことも大切です。
ネットショップの売上に影響する集客施策
ネットショップを開設したら、積極的に集客して販売機会を広げる必要があります。数多くのショップから選ばれるためには、継続的な集客活動が欠かせません。
ここでは、代表的な集客施策を紹介するので、どの方法で集客するか参考にしてみてください。
SNS活用
InstagramやX(旧Twitter)などのSNSは、無料で始められる強力な集客ツールです。オンライン上で商品の魅力を発信し、顧客と交流できる点が大きなメリットです。
また、継続的な情報発信やコメントへの返信などを通じて交流が深まると、ショップのファン化にもつながります。効果が出るまで時間はかかりますが、SNSアカウント自体が貴重な資産となります。
ターゲット層が多く利用しているSNSを選んで始めてみましょう。
SEO対策
SEOは、自社ショップをGoogleなどの検索結果で上位表示させるための施策です。例えば「母の日 ギフト」のようなキーワードで上位になれば、購買意欲の高いお客様を広告費なしで集客できます。
各ページのタイトルや説明文を分かりやすく改善したり、商品の関連情報をブログで発信したりするコンテンツマーケティングとの併用が有効です。時間はかかりますが、検索上位になるとネットショップの強力な集客の柱となります。
プレスリリース活用
プレスリリースは、新商品やキャンペーンなどのニュースをWebメディアや雑誌、テレビ局、新聞社などに情報提供し、紹介してもらう広報手段です。
広告と異なり、第三者であるメディアに取り上げられるため、情報に客観的な信頼性が生まれます。より多くの潜在顧客がショップの存在を知るきっかけになるでしょう。
自社のコンセプトに合った媒体に積極的なアプローチが効果的です。うまくいくと、費用をかけずに大きな宣伝効果を得られる可能性があります。
広告運用
Web広告は費用がかかりますが、インターネット上で短期間に多くの人へアプローチできる即効性の高い集客手段です。ネットショップ開設直後など、すぐにアクセスを集めたい場合は効果的な施策といえます。
ネットの検索結果に表示されるリスティング広告やSNS広告は、ターゲットを細かく設定できるため、顧客層を絞って効率的にアピールできます。
少額の予算からテスト運用を始め、データを見ながら繰り返し改善して効果を高めましょう。
ネットショップの開業で失敗を避ける5つのポイント
ネットショップは開業しやすい一方で、長く継続させることが重要です。ネットショップ運営で失敗を避ける5つのポイントがあります。

それぞれの具体的な内容を見ていきましょう。
法律を守ってトラブルを防止する
ネットショップ運営では法令を守ることが欠かせません。違反すると罰則を受けるリスクがあるため、必ず事前に確認しましょう。
事業者名や連絡先を明記する「特定商取引法に基づく表記」は必須です。個人の場合、個人情報である自宅住所が公開になる懸念がありますが、請求があった際にすぐ情報提供できれば、省略できます。
Atouchには、特定商取引法に関する表記を柔軟に変更できる機能があります。請求があった際にもスムーズに対応可能です。
ランニングコストを抑制する
ネットショップを長く続けるには、運営費のランニングコストを管理し、健全な資金繰りの維持が不可欠です。
過剰な在庫は保管費用を圧迫し、資金繰りを悪化させる原因になるため、適正な在庫管理を心がけましょう。
費用の配分目安として「334の法則」が参考になります。売上に対し、商品原価30%・販売促進費30%・その他経費と利益40%とする考え方です。適切なコスト配分を意識し、財務バランスが安定した運営が大切です。
健全な運営管理を心がける
安定したショップ運営には、データに基づいた管理が欠かせません。売上目標に対し、アクセス数や購入率などの数値を分析し、課題を把握して改善策を考えます。客観的なデータを基にした判断が重要です。
また、セキュリティ対策も運営者の重要な責務です。顧客の個人情報漏洩はショップの信頼を大きく損ないます。
信頼性の高い決済方法の導入など基本的な対策を徹底し、顧客が安心できる購入環境を整えましょう。
助成金や補助金を活用する
開業や運営の資金を補うため、国や自治体による助成金や補助金の活用を検討しましょう。助成金や補助金は原則返済不要であり、ECサイト構築費や広告費に充当できます。
2025年9月現在の代表的な補助金は「IT導入補助金2025」や「小規模事業者持続化補助金」があります。公募時期や対象経費が制度ごとに異なるため、最新情報の確認が欠かせません。
申請には手間がかかり、審査に通らなければ受給できない点も理解しておきましょう。
顧客満足を意識して炎上を避ける
長く継続するためには、顧客満足度を意識した対応が不可欠です。丁寧な問い合わせ対応や誠実なクレーム処理は、お客様との信頼を築きリピーター獲得につながります。
一人ひとりのお客様を大切にする姿勢が評価を高めます。その一方で、SNSで不誠実な対応をとったりしてしまうと瞬時に拡散され「炎上」を招きかねません。
ブランドイメージを守るため、情報発信する際は誇張した表現などを避け、常に誠実な姿勢を心がけましょう。
ネットショップをはじめるならAtouchがおすすめ
ネットショップをはじめるなら、LINE公式アカウントでネットショップを運営できる次世代型プラットフォームのAtouchがおすすめです。
多くの方が日常的に利用しているLINEを基盤としている点が最大の特徴です。ITが苦手な人でも直感的に操作でき、簡単にネットショップを運営できます。
SNS感覚で顧客とのチャットやメッセージ配信もLINE上で完結でき、リピーター獲得に不可欠な顧客とのコミュニケーションがスムーズに行えます。
ネットショップ運営のハードルを下げ、長く継続していくためにも役立つツールです。Atouchについて詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。