電話・FAX注文からLINEへ。“90代もリピーターに”なった老舗食品会社 三育フーズの直販EC改革

三育フーズ株式会社様

Webサイト:https://san-iku.co.jp/

129年の歴史を誇り、植物性加工食品のパイオニアとして日本の食文化を支えてきた三育フーズ株式会社。長年、卸売を事業の柱としてきましたが、原料費などの高騰から「直販強化」にも取り組まれています。

しかし、直販を強化する中で、パソコン操作が苦手な高齢顧客層との接点作りという課題が出てきます。

その解決策として導入したのが、LINEで購入まで完結できるAtouchです。同社は、電話やFAXが中心だった注文スタイルから脱却し、問い合わせ対応工数を半分以下に削減。

さらに、LINE限定の施策では1日で32万円を売り上げるなどの成果も上げています。今回は、同社 広報・営業部 主任の小川真由美さんに、Atouch導入の背景や具体的な効果などについてお話を伺いました。

物価高により、卸売だけでなく直販の強化を決意

三育フーズ株式会社様の事業概要についてお聞かせください。

三育フーズは、穀物・豆・野菜・果物などを中心とした健康食品の製造と卸売を行っている会社です。1896年に日本へ渡ってきたキリスト教の宣教師が、学生たちのために健康的な食事を提供したいと願って食堂を始めたのが起源で、1970年にそこから独立したのが三育フーズです。

以来、日本における植物性加工食品の先駆者として「穀菜美食」という“心と体の健康を応援する食事”をモットーに、作り手の愛情とぬくもりを感じられる食品を一つひとつ丁寧に生産しています。全国のスーパーや生協、ホテル、学校など、さまざまな場所へ商品を届け、近年では海外からの需要も高まっています。

三育フーズの中でもAtouchを活用しているのは、直販部門である「三育ベジライフ」です。三育ベジライフは当社で扱っている商品に加え、私たちがいいと思った商品も取り揃えているセレクトショップになります。

卸売に加えて直販を開始した背景をお聞かせください。

ここ数年、原材料費や輸送費といった物価高の影響で、卸売だけでは事業の維持・拡大が難しいという危機感を持っていました。

そこで直販に力を入れようとAmazonや楽天市場といったECモールへの出店も試みたのですが、価格競争に陥ってしまい、思ったように利益を出せませんでした。その結果、自社ECの売上を伸ばしていくことに注力しました。

90代のお客様も使えるチャネルとしてAtouchを導入

直販強化のチャネルとしてLINEに着目した理由を教えてください。

LINEを活用しようと思った理由は「電話・FAXによる注文業務の効率化」と「高齢顧客層の使いやすさ」の2つです。

三育フーズは歴史が長い分、注文を電話やFAXで行っていました。これはお客様にとって手間となるだけでなく、私たちも注文に関連する業務に人手を割くことになります。そのため、業務を効率化できるシステムを導入する必要がありました。

また、顧客の中には昔からご愛顧いただいている高齢のお客様が多くいます。高齢のお客様にはパソコン操作に慣れていないケースや、ログインの際にパスワードを忘れて購買が止まってしまうケースが見受けられました。

その中で「パソコンではなくLINEなら使える」というお声を複数いただき、LINEを活用することを決めました。実際にAtouchを導入してからは、90代のお客様にも問題なく使っていただいています。

LINEで販売できるツールが複数ある中、Atouchを選ばれた決め手は何でしたか。

数社を比較検討しましたが、一番の決め手は「お客様にとっての使いやすさ」です。ITに不慣れな高齢のお客様が使うという前提があったため、購入までのステップがシンプルで、直感的に操作できるかという点を重視しました。

Atouchの画面は非常にわかりやすく、これならお客様も迷わずにお買い物を楽しんでいただけると感じました。導入検討時には担当の方がとても丁寧に説明してくださり、安心してスタートできたのも大きかったですね。

LINEの導入で問い合わせ工数が半分以下に改善

Atouchを導入して、お客様とのコミュニケーションにかかる工数に変化はありましたか。

メールでの問い合わせ対応と比較すると、工数は半分以下に削減されていると感じます。LINEはメールと異なり、件名や「お世話になっております」といった定型文を入力する必要なく、要件だけを簡潔に返信できるのでとても効率的です。

お客様からの返信もメールより早く、在庫の確認などでこちらから質問を投げかけた際も、すぐに回答をいただけます。

LINEは多くの人が日常的に使っているツールですし、電車に乗っている最中などでも気軽に返信できるため、お客様からしても気軽に返信できるのではと感じています。従来のメールのように「返信待ちで業務が何日も止まってしまう」という悩みがなくなりました。

電話やFAXでの注文受付と比較して、業務効率はどのくらい改善されましたか。

30%ほど業務効率が改善できたと感じています。電話のように時間を拘束されることも、FAXの不鮮明な文字に悩まされることもなくなりました。

特に効果が大きかったのは「支払い」に関する業務です。Atouchでの注文はクレジットカードで即時決済されるため、電話・FAXを活用する際に発生していた入金確認や督促状の送付といった手間がなくなりました。

これは私たちだけでなく、郵便局やコンビニに支払いに行っていたお客様にとっても、大きなメリットだと思います。

LINE限定の「送料無料クーポン」で1日32万円の売上を達成

売上に関して、Atouchの導入で得られた成果をお聞かせください。

「送料無料クーポン」をLINEの友だち限定で配信した際、1日で32万円の売上を達成したことです。三育ベジライフで扱っている商品の平均単価は300円台と決して高くありません。その中でこの数字を達成できたのは、本当に驚きました。

LINEでの情報発信のしやすさは感じていますでしょうか。

LINEではお客様に情報が届きやすいため、1日で32万円という売上を作れたと感じています。メールだと日々大量に届く広告やメルマガなどに埋もれてしまい、開封されずに削除されてしまうことも少なくありません。しかし、LINEなら通知が届き、多くの方にメッセージを見ていただけます。

また、AtouchではECサイトのように「PCを開き、サイトを探し、ログインして購入」という手間がありません。

LINEのメッセージを見て「買おう」と思い立った瞬間に、数回のタップで購入まで完了できます。この購入までの動線の短さが、お客様の購買意欲を逃さず、大きな成果に繋がったのだと分析しています。

Atouchはユーザーの要望を数ヶ月で形にしてくれる

Atouchのサポート体制については、どのように感じていますでしょうか。

担当の方が本当に親身になってくださるので、とても助かっています。導入当初、わからないことがあって相談すると、ただ説明するだけでなく、見本となるサンプルをすぐに作ってくれました。

口頭や操作画面を見ながらの説明はあっても、なかなか投稿のサンプルまで作っていただける会社はありません。

さらに素晴らしいと感じているのは、改善要望への対応の早さです。ミーティングの際に「このような機能があったらもっと便利になります」とお伝えすると、数ヶ月後にはそれが機能として実装されていることが多々ありました。

実際に、私が要望を出したクーポン機能も実装され、今では当たり前のように使わせていただいています。

常に利用者の声に耳を傾け、サービスを良くしていこうという姿勢を感じています。単なるツールの提供会社ではなく、共に事業を成長させていくパートナーとして、とても信頼できる会社です。

今後、Atouchを活用してどのようなことに挑戦していきたいですか。

これまでセール時が中心だったクーポンの発行頻度を上げ、お客様に喜んでいただきながら、売上機会をさらに増やしていきたいと考えています。

また、現在は究極にこだわった素材を使ったアーモンドクリームを開発中で、クラウドファンディングに挑戦する予定です。そのようなお知らせも、Atouchを活用してLINEの友だちに届けたいと思っています。

これからもLINEでお客様との関係を深め、私たちの商品の魅力を一人でも多くの方に伝えていきたいと考えています。