補聴器をお探しの方と、補聴器販売店との間をつなぐ事業を行う「株式会社リードインテリジェンス」は、Atouchの導入で成約率を順調に伸ばしています。
メインユーザーがシニア世代である「補聴器」という商材において、どのようにAtouchを活用しているのかを代表取締役の中嶋克彦さんに伺いました。
シニア世代の使用率も高いLINEを使うことで課題が解決
Atouchの開設前に感じていた課題と導入の決め手を教えてください。
そもそも補聴器はきこえ方に慣れるまでに時間がかかるため、購入前にお試し期間としてレンタルの機会を設けることが一般的です。
Atouch導入前は、補聴器のメインユーザーがシニア世代ということもあり、レンタルで発生する料金の決済方法は代引きが多く、「聞いていたものと違うので返金してほしい」というトラブルもありました。
また、お客様とのコミュニケーションにおいては、電話だと繋がらなかったり、知らないアドレスからのメールはリジェクトされる設定になっていたりなど、リーチが上手くできないという問題もありました。
そんな中Atouchの話を聞き、LINEの使用率はシニア世代の方も非常に高いこと、Atouchには決済システムもあるということを知り、弊社でやらない選択肢はないと感じました。
Atouchを入れたことで課題の解決はできていますでしょうか?
LINEは多くのシニア世代の方も使っているので、メールのような脱落もほとんどなくコミュニケーションをとれるようになりました。
また、AtouchはLINE Payも使えるので、たとえばシニアの方がクレジットカードをお持ちでなくても、ご家族の方に決済していただくことが可能です。そのため、支払いに関するトラブルもなくなりました。
Atouch導入で成約率が20%アップ
Atouchを入れて社内のECに対する評価や認識に変化はありましたか?
元々社内にネガティブな意見はありませんでした。
弊社は業務委託で補聴器のレンタルから販売のサポートをしているので、補聴器の供給元であるメーカー側からは、Atouchを導入することで起こりうる個人情報の問題などのネガティブな意見も最初はでていました。
しかし、Atouchを導入すると、補聴器のレンタルから購入まで結びつける成約率が20%上昇しました。
人とお金を一切投資をせずに成約率が20%も上がったということはメーカー側にとっては非常に朗報ですよね。元々あったネガティブな意見を帳消しするほど、この成果は大きく、メーカー側の反応も良い方向に変わっています。
全体の売上のうちAtouch売上比率はどれくらいですか?
今のLPの流れは代引きでのレンタルが前提で、選択肢の1つとしてAtouchでも申し込みができるという訴求の状態になっています。その状態で6割が代引き、4割がAtouchでの売上です。
現在は、弊社が独自に広告を出しているのではなく、メーカーのホームページ内で、レンタル会社紹介としてバナーを貼り付けてもらっています。そのため、メーカーのSEO対策によりリードの獲得件数にばらつきがあります。
Atouch導入で成約率が20%改善されていることもあり、補聴器を宣伝しているトップページ に、「Atouchでの申し込みを訴求するLPを貼りたい」という要望をメーカー側に出しているので、実現できれば9割以上の方がAtouchからのレンタルの申し込みになると思います。
LINEでの丁寧なコミュニケーションが成約率アップに繋がっている
Atouchならではの工夫がございましたら教えてください。
ちょっとした質問でもチャット形式でやりとりができるのはAtouchならではですよね。
弊社はインサイドセールスの人間を抱えているので、タイムリーなレスポンスができますし、Atouchによるお客様の情報がLINEとリンクされているので、どこの誰かというのが画面上ですぐにわかるので対応もしやすいです。
あとはお客様のステータスごとのタグを変えて、その方にあった配信をしています。たとえばレンタルはしたけど購入するか悩んでいる方には、キャンペーンの配信をしたりとか。
LINEだと顧客のステージごとにセグメントができるので、このようなステータス管理も成約率を上げている一因ですね。
また、代引きで申し込みになった方に対しても、梱包に入れる資料にAtouchのチラシを封入しています。
内容は、「LINEで個別にトークできると、チャットでダイレクトにお客様の質問に答えることが可能です」というようなものです。
申し込み時に代引きをご利用になっても、そのチラシを見てレンタル期間内にLINE公式アカウントのお友達登録をして、チャットでやり取りをすることにより購入に繋がるというケースも多くあります。
極端な例ですが、25日間のレンタルを代引きでお送りした方の中には、25日間何もフォローアップなどを受けない方もいらっしゃいます。
何もやりとりがないと、いわゆる聴力チェックなどのパーソナライズもなく、工場出荷の設定で補聴器を試して「ちょっときこえるな」くらいの状態でレンタルが終了する方もいるんですね。
Atouchを導入すると、質問のやりとりが簡単にできるので、不明点を解決できることはもちろん、補聴器を正しい使い方へ我々が導くことができる点も非常に助かっています。
「きこえ」悩む人たちのQOLを上げたい
Atouchに今後期待すること、開発してほしい機能などはありますでしょうか?背景も含めて教えてください。
欲を言えば、決済方法をクレジットカードとLINE Pay以外にも広げられるといいですよね。たとえば、代引きや、シニアの方の利用も多いコンビニ払いも可能だと嬉しいです。
また、Atouchを利用していずれサブスクができたらとも考えています。
補聴器をたとえば毎月5,000円で利用し続けることもできますよとか、何か月かレンタルをして途中で残金を払って買取が可能ということもできたらもっと便利になりますよね。
あとは、補聴器本体のハードウェアの部分は購入してもらって、転倒検出通知機能やヘルスチェックなどの見守り機能のようなソフトウェアの部分をサブスクで展開するというのも面白いと思っています。
たとえば見守り機能をアカウント3人まで月1,000円で利用できるというオプションを利用して、補聴器を利用されるご本人と、複数箇所に分かれて住んでいるお子様たちが繋がれる。それをAtouchでできると素晴らしいなと思います。
これからのリードインテリジェンスさんが目指すところは?
日本の補聴器の普及率はまだまだ低いです。
たとえば眼鏡だと「この眼鏡なかなか良いでしょう」と言う人はいますが、「この補聴器なかなか良いでしょう」という人はいないと思うんですよ。
見えなくなったら眼鏡をするのと同じように、ちょっと聴力の低下を感じたら補聴器をしようというのが当たり前になる時代にならないといけないと思います。
日本は欧米と比べて補聴器購入のための助成制度なども整っておらず、補聴器はまだまだ高額です。誰でも買えるような価格帯の補聴器をもっと増やして、補聴器がいわゆる障がい者や年寄りくさいものではないというくらいのポジショニングがとれればいいと思います。
逆にいうと、まだまだマーケットは大きいということなので、「きこえ」 に不自由を感じている方のQOLを上げるためにいろんなことをやっていきたいと思っています。